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2020.05.29 BLOG

技術はアンタのもんじゃない

どんな仕事にだって、一定の能力は必要かと思います。
専門的な仕事となると、そこには技術や知識が伴ってくる。

私たちで言うとカットやカラー、シャンプーも色々仕事はあるけど、ほとんどが技術が必要です。
看護師さんだって注射したりするのも、点滴交換するのも技術でしょう。
お医者さんだって、手術するのも技術だし、マッサージ屋さんも技術が必要です。

世の中、専門技術に溢れていて、それらは私たちの生活を豊かにしてくれています。

このnoteでは、「その専門的な技術を有する人」に向けて書いてみます。
言いたいのはタイトルの通り。「技術はアンタのもんじゃない」です。

そのまんまですが、技術や知識を私物化してしまうのは、傲慢かと思う。しかも過度の。

その理由は二つ思いついたので書いてみます。

1:技術は「継承されてきたもの&継承していくもの」だから
あくまでも私の考えですが、「技術」というものは、技能者に宿っているものではなく、目には見えないクラウドのようなものにアクセスして引き出してきているようなものと捉えている。もちろん、誰にでもアクセスできる。
こう捉えることによって得られるものは大きい。
まず、「やってやってる感」がなくなります。
たまにいません?
専門的な技術が必要な仕事に従事してる人間が有する技術を見せびらかせて偉そうにしている人。お医者さんに多い気がする。
私、あういう姿勢で仕事してる人が苦手なんですよね。
美容師でもたまにいるんです。「俺うまいでっしゃろ!?」感が満載の人。
引いちゃう。
**
技術は先人たちが生み出し、試行錯誤を繰り返して、継承されてきたもの。
そしてその継承された技術に自分の試行錯誤をプラスして、継承していくもの。**

そう。技術は一時的に自分の手元にあるだけの借り物なんです。

上記しましたが、私の感覚では
「技術とは目には見えないクラウドのようなものにアクセスして引き出してきていて、その技術を使ったらまたクラウドに戻す。戻す時に、自分なりのオリジナリティを添えて戻している」って感じです。

あなたが身につけた技術や知識は、先人が作ったものですから、それをコピーして偉ぶるのってお門違いにもほどがある。ダサいです。

2:技術は、求める人がいて初めて生かされるから。
こちらは文字通り、求める人がいないと技術があっても披露する機会がありまあせんからね。困ってる人がいるから技術を使って解決するんです。
困っている人がいないと技術は生かされないのに、その困っている人に対して高圧的な態度で「やってやってる感」を出すなんて、勘違いも甚だしいと思いません??ダサいですよね。ほんと。
どれだけ苦労して身につけた技術であろうと、どれだけお金と時間を使って身につけた技術であろうと、相手に求められないと生かされないんです。
ってことはですよ、「技術を提供させていただいている」って考える方が正しいのではないのかなって思うわけです。少なくとも私はそう思っている。

この二つの理由から、私は声を大にして(文章なので実際は声は出ませんが)言いたい!

その技術はアンタのもんじゃない。

特に、専門性の高い技術は「公」として取り扱うべきだとも思う。
絶対に私物化してはいけないと思う。

私物化すれば富を得られよう。
でも、昔の人もこう言ってましたよ。

祗園精舎の鐘の声、諸行無常の響きあり。
娑羅双樹の花の色、盛者必衰の理をあらはす。
おごれる人も久しからず、唯春の夜の夢のごとし。
たけき者も遂にはほろびぬ、偏に風の前の塵に同じ。
現代語訳
祇園精舎の鐘の音には、諸行無常すなわちこの世のすべての現象は絶えず変化していくものだという響きがある。
沙羅双樹の花の色は、どんなに勢いが盛んな者も必ず衰えるものであるという道理をあらわしている。
世に栄え得意になっている者も、その栄えはずっとは続かず、春の夜の夢のようである。
勢い盛んではげしい者も、結局は滅び去り、まるで風に吹き飛ばされる塵と同じようである。

出典:平家物語
800年も前から言われてるんですからね。
技術を私物化して勢い盛んになってしまってる人、奢ることなく、ちゃんと借り物であることを自覚して、自分の要素を少しプラスして後世に継承していきましょうよ。そうすれば、技術も喜ぶよ。
顧客はもっと喜ぶよ。
そうやって楽しく仕事していきましょうよ。

イキらずに、穏やかに、ゆったりいきましょう。

ってことで、今日はこの辺で。仕事頑張ってきまーす!